架空生命ストリキニン

小説、大衆音楽、芸術

中華料理について今一度考え直したほうがいい

 

 

 

ラーメン屋のチャーハンにただならぬ憧れがあり、幼少期にラーメン屋のチャーハン巡りを親としていたほどです。これは実話です。

どうしようもなく愛おしいものがあったときに、その対立概念を必要以上に憎んでしまう癖があります。心理学的な過誤の一つだと思っています。チャーハンに対して、ピラフを必要以上に憎んでいて、折しも、なんだあの味のうっすい米料理は、真っ白なフォルムをしやがって、と思う時があります。現実のピラフはちゃんと味がついており美味しいのですが、ピラフがチャーハンに対応する概念というだけでどうにも憎たらしくて仕方がないのだ。美味しいチャーハンは茶色い色がしている。気がする。なので、茶色の化粧をしていない米料理は基本的に悪です。どうやったら、あんな風に茶色のコメの美味しいチャーハンを作れるのだろう。本当に疑問です。これは、自分で作って茶色にならないというわけではなく、純粋に疑問符を浮かべているのです。

中華料理屋って多面的だと思っていて、これは、様々な食べ進めかたが用意されている。定食を頼むもよし、アラカルトで2か3品を頼むもよし、前菜から仕上げまできっちり揃えるもよし。中華料理に対して一つ思うことは、あやつらは憎い。だってほら、全部美味しそうなので。好きな中華料理を挙げなさいと言われると困ってしまう。人並みに拉麺が好きだし、チャーハンは言うまでもないし、前菜でも皮蛋、蒸し鶏にネギのソースをかけたもの、クーシンナーを炒めるだけでも化ける。麻婆豆腐やら辛めの味付けをされた揚げ物の鶏肉はたまらないし、酢豚なんかも庶民的ながら美味しい。XO醬で海鮮やら牛肉やらを炒めれば小宇宙が完成するし、天津も良い。好きな中華料理は何か? そう聞かれれば、質問内容をちゃんと理解した上でこう答える、好きな中華料理は中華料理だ。

さて、どうしてこうやって中華料理に対して熱弁を奮っているのかといえば、まあ理由はない。とにかく、好きなのである。誰かに、自分は中華料理が別腹だと語った覚えがあるが、あれは嘘ではなく、真言だ。中華料理はすごい。胃の限界を軽々と越えてしまう。

薄々思っていると思うけれど、中華料理というのは奇跡の料理体系だ。世界三大料理には、中華料理の他にフランス料理やらトルコ料理が挙がっているが、あんなの嘘だ。中華料理は世界の数多の料理文化の頂点に立っていると言っても過言ではない。再認識したほうがいい。我々は中華料理に生かされている。中華料理は我々のDNAに刻まれている。他は全部FAKEだ。丁寧さとか繊細さとかテーブルマナーとかにこだわっている料理文化に未来はない。結局濃くて辛い味が正義なのだと、そのような答えに収束している中華料理こそが、世界のトップランナーにしてトレイルブレイザーだ。

 

フクロダケにあんかけをかけて食べるあの料理が心底好きでたまらないです。みなさんは食べたことがありますか?